DSTは多くのリハビリテーションセンターでテストされ、その卓越性が以下の通り、認められています。
1)リハビリの初期段階での昇降訓練の実施
個々の患者の能力に応じて高さを任意に調節できることから、従来の高さ固定の階段では訓練できなかった患者も、リハビリ初期の段階から、昇降訓練を開始することが可能となり、昇降能力のみならず、歩行能力の回復率が向上する。
2)正しいステップ
無理な階段高での訓練では、健足を中心とした運動になり、患足は、往々にして健足に引きずられることになる。DSTでは、患足側でクリアーできる高さに階段高を設定することで、一方に引きずられることなく両足相互の正しいステップ訓練が可能となる。
3)訓練モチベーションの高揚
従来の高さ固定式階段では、その無理な高さの故、恐怖感、疼痛、フラストレーションによる訓練の停滞がよく見受けられたが、高さ調節機能を付加し、加えて、その高さを数値表示することで、患者自身の達成感、訓練へのモチベーションが著しく向上する。
4)把持棒の高さ、及び幅調整
把持棒の高さ、及び幅を患者の体位に合わせて調節することで、より安全に、且つ患者自身、安心感を持って訓練することができる。また、訓練の進捗状況に応じて、幅を最大限に広げ、片手は杖等、他の介助器具を用いて、より、実際の生活に則した形で訓練できる。
5)独自訓練の実践
DSTの高さ調節、把持棒の高さ、及び幅調節機能の具備、その他、優れた安全性により、セラピストの監視のもと、セラピストの介助無しに訓練することも可能である。それにより、患者自身の昇降に対する自信も向上する。
6)リハビリ時間の短縮
DSTの持つ上記特性から、昇降能力の回復が加速され、全体としてのリハビリにかかる時間が短縮される。このステップ学習についての時間短縮には、劇的な改善が見受けられる。
7)DSTの採用
DSTの登場時には、病院スタッフにとって、奇異な器具との印象を与えたようであるが、一旦、臨床活用されると、今では、DST無しでは、昇降訓練はできないとの認識が広く行き渡っている。
8)時間セーブ及び有効性
DSTはセラピストにとって、患者の治療時間の短縮に著しく貢献すると同時に、セラピストの介助負荷にも貢献している。階段高の調節は、ボタンを押すだけで、その操作性も極めてシンプルである。それにより、セラピストは、患者自身による訓練を監視することが主たる業務になり、その時間、他の患者の治療にあたることもできる。
9)まとめ
上述したように、DSTはボタンを押すだけで、階段高を任意の高さに調節することができ、患者、セラピスト双方にとって、極めて有効な訓練ツールである。更に、セラピストは、患者の進捗状態を客観的に、且つ、正確にモニターすることができます。
|