システム開発秘話

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システム開発秘話

2020年01月20日


 

■バーコードへのこだわり

バーコードという用語は、当たり前に万人の人々に理解できていると思います。スーパーマーケットやコンビニエンスストアのレジ作業では、バーコード入力が当たり前の世の中で、なぜそこまで普及できたのか?

やはりそれは作業性の良さだと思います。

人的ミスを最小限に抑えることが出来、電子機器に不慣れなご年配女性でも、きめられた手順にそってバーコードを読んでいくことにより、従来の手書きや手作業に比べ、スピード・正確共に良くなります。

近年、更に進化したICタグによる、より多い情報を一挙に読み取る手法や技術がありますが、バーコードと比べてまだまだコスト的に高くなり、費用対効果の面で課題があると思います。

そんな中で弊社メディカル・ケアセンターは、リーズナブルなシステムを提案していく上でも、バーコードへ今後ともこだわりを持って地域医療に間接的に貢献できるよう努力してまいります。

 

■キーボード入力を、可能な限り通常業務から外すシステム作りがコンセプト

とにかく看護師さんやケアワーカーさんは忙しいし、パソコンスキルを磨くには時間が・・・人材が・・・、でも院内業務の改善のためにはコンピューターを利用した情報共有化は不可欠 です。

そこで、パソコンスキルがなくても入力だけでもじゃんじゃん入力できるようにしなければ、情報自体の蓄積や共有以前の問題でシステムが利用できない。

看護・介護記録業務をコンビニエンスストアのレジに例えて、処置やケア記録をバーコード化すればよい、今では当たり前かもしれないが1999年ごろは実際少なかった。

 

■過去に失敗した※PDAタイプのハード選択と、ペンタッチ入力方式

弊社は医療機関の病棟でのPDA端末機によるシステムの導入はお勧めしません。
過去に弊社もザウルスタイプのPDAで導入提案を行い、実際に使っていただいた病院様もありましたが、実際、現実的に稼働率は上がらずに最終的には費用対効果で病院様のメリットは感じていただけませんでした。

PDAとは、個人用の携帯情報端末。手のひらに収まるくらいの大きさの電子機器で、パソコンのもつ機能のうちいくつかを実装したものをいう。液晶表示装置や外部との接続端子を搭載し、電池や専用バッテリーで駆動する。シャープのザウルスやApple社のNewton、カシオのカシオペア、Palm Computing社のPalmなどが有名

PDAの問題点は、携帯小型化を優先するために、液晶の画面サイズに制限があります。携帯していれば、何時でも何処でも情報を入力でき、さらには情報を確認・閲覧することもできます。しかし、院内の情報は膨大です。
ここで大きな問題が起こります、その情報にたどり着くまでにペンタッチ等の操作が多くなることです。

作業性の大きな問題

小さな液晶に表示できる情報は限られていますので、見たい情報や、入力したい情報の項目にたどりつくまで、4クリックから8クリック以上必要になります。ただでさえ忙しい看護師やケアワーカーさんはイライラして入力を拒み始めます。

PDAは必ず、液晶画面を見ながら操作しないと入力や閲覧ができません。液晶の画面上の小さなボタンを見ながらペンタッチ等でクリックするのです。

 

■ブラインド入力で迅速な入力のみに特化させたハンディタイプのバーコード読取端末機の採用

最近は男性のケアワーカーさんなど増えてきていますが、病棟は女性の多い職場だと思います。電子機器に興味はあまりなく、操作を覚えていただくまでに時間がかかりますが、わかりやすく、単純な入力だけに特化させ手順を簡単にした場合、女性はとてつもなく器用でした。

例えるなら、スーパーのレジ打ちなど良い例だと思います、最近はバーコード入力で単価を直接入力することはなくなりましたが、一昔前のレジは価格を手打ちしている単純作業でした。ラベルの価格を見てレジスターのテンキーを打っていきます。女性はこういう作業は器用です。めちゃくちゃ早いです。

いわゆるブラインドタッチ入力です。

弊社はそこに着目しました。入力だけ、しかもブラインド入力できる端末機を採用しよう!

入力を簡単に出来るものは「バーコード」、よし、ケアや処置などの情報をバーコード化しよう、それをスーパーのレジみたいにテンポ良く画面を見ずに、音だけで判断して入力してもらおうと考えました。

そこで選択したハード機器の端末機はハンディ(携帯型)タイプといわれるバーコード読取携帯端末機でした。

手順は基本4回の作業で、入力する都度「ピッ!」と音が鳴ります、重複読みや、患者のバーコード入力時なのに順番を間違えて「処置項目」のバーコードなどを読んでしまった場合は「ブー!」の音、もしくは振動でエラーを知らせます。

手順である4回の順番さえ知っていれば、あとは用意されたバーコードを連続で読んでいきます。

これでブラインド入力が可能になりました。なれた看護師さんやケアワーカーさんはケアや処置のバーコード入力はめちゃくちゃ早いです。テンキーの数字入力もブラインドタッチ入力でやられます。

 

■開発当初はドデカイ?バーコード読み取り機?

24時間365日運営されてる病院の中で耐えうるバーコード読み取り機の選定にも苦労しました。

コンビニエンスストアなどにある、レジ直付けの読み取り機は安価で耐久性があるのですが、限られたエリア(有線なので取り回しが限られる)でしか作業できません。院内は広く、ナースステーションだけで入力する仕様ではお客様は満足しません。そこで携帯型のバーコード読み取り機を探しました。

あるにはありましたが・・・院内で使われてるPHP携帯電話に比べると、大きくて重いのです。 しかも乾電池で駆動します。

女性の多い職場では中々興味を持っていただけませんでした。

 

■携帯電話の普及が追い風に

2000年を過ぎ21世紀に入ると、殆どの人が携帯電話を携帯し、携帯メールを打つ事が当たり前になってきました。しかも携帯型の小型端末機に対する技術も向上しバーコード読み取り機も小型化が進み、安価でバッテリー駆動式が増えてきました。そうすると年配の女性職員でもあまり抵抗が無く携帯電話の延長線という認識で使っていただけるようになってきました。

今後は院内の部門管理システムとして派生させていき、さらなる付加価値機能や他部署への連動を目指します。

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